12月2日、茨城県笠間市の小学校で行われた「人権集会」に、わがサッカーチームPalraboxの
代表のケイ、チームメイトの隆一、健太郎の4人で参加してきました。
このイベントには、代表のケイが講演と交流サッカーを小学校から依頼され、私含めチームの
メンバーは手伝いという形で参加。
この講演依頼には奇跡的な出会いから始まりました。
http://shunsusumu.blog.fc2.com/blog-date-201203.html
この小学校に通う6年生の幸多君。サッカーが大好きな元気な少年でしたが、小学校2年の時に、
自宅のお風呂で溺れて意識不明の重体に、一命は取り留めたものの、医者からは植物人間を
宣告されました。それを聞いて両親は、絶対に回復させるという強い思いで、独自のケアを
続けた結果、今では自分で歩くことまでできるようになりました。2年前にリハビリでやって
いる障害者スキーがNHKで特集されて全国放送され、それを見たケイがなんとか連絡をとり、
幸多とケイ、Palraboxの交流が始まったのがきっかけとなり、今回の講演に繋がりました。
人権集会では、校長先生から「言葉の暴力もいじめになるので、そういう言葉を使わない
ように。」と話がありました。その言葉の中で「障害者」という言葉を偏見・差別に使って
いるとも聞きました。
ケイの講演では、ケイが脳性麻痺という障害を持って生まれ、それでもあらゆる困難に立ち
向って夢を掴む話は(脳性麻痺サッカー日本代表のカテゴリーを創り、自身も日本代表および
キャプテンとしてプレイー)、小学生や来場者の方に感動を与えたとともに、「障がい」という
本当の言葉の意味も理解してもらえたようでした。
その後は、我々Palraboxと小学校代表とでサッカーの試合を行いました。小学生とはいえ、
みんな運動神経がよく、かなり振り回されました。お互いに一生懸命、楽しくサッカーで汗を流し、
プレーしている生徒よりも、応援している生徒や保護者が熱い声援を送ってくれて、とてもとても
白熱した試合になりました。
これまで、いろんな学校で交流サッカーをやってきましたが、ここまで白熱してみんなが楽しんだ
サッカーはなかったと思います。そして、何より、ケイをはじめ、障がいを持ったメンバーが自分達
のできるプレーを全力でやったことで、生徒達が「障がい」は決して恥ずかしくて隠すことではなく、
その人の「個性」として見れるようになってくれればありがたいです。
新潟に戻ってきて、幸多のお母さんから、こんな電話がありました。人権集会から数日後、自宅で
幸多が双子の妹と喧嘩をして、お互い口げんかになり、妹が頭にきて「この障害者!!」と差別・
偏見的に言ってしまったとのこと。今までだったら、幸多は怒ってさらに喧嘩が酷くなっていたのが、
幸多は「俺は障害者で、もう一生この障害と向き合っていかなければならない。自分は障害者と
言われても何とも思わない。でも、俺以外の人に障害者という言葉は絶対に使うなよ!!」と言った
そうです。お母さんは、涙流しながら幸多を抱きしめたそうです。暴言を吐いてしまった妹は、
きまり悪そうに無言だったそうです。
幸多は人の心の痛みが分かるようになり、妹は人を傷つけることの虚しさを知ったのかなと思い、
私も感動して涙が出そうでした。人権集会がきっかけになったかは分かりませんが、人に優しく
できる子供たちが増えてくれればと思います。

人権集会で講演するケイ(中央)、健太郎(右)、隆一(左)

幸多パパ(15)、鎌田君(4:地元助っ人)

ボールを持っているのは幸多の弟・悠多。サッカー少年団に入っているだけあって上手!!

私はゴールを守ってます。

前日は幸多家にみんな泊めていただき、最高の「お・も・て・な・し」を受けました。