私の所属するチームは縁あって優勝チームである富山第一と交流があります。毎年、秋に富山で
開催される「アミザーデサッカー大会」で一緒にプレーさせてもらってます。以前紹介しましたが、
この「アミザーデ」はポルトガル語で「友情」という意味で、大会の趣旨は「一人でも多くの
障がい者(児)、健常者が、サッカーを通して、より多くの人と出会い、ふれあい、交流すること
により、互いを理解しあい、認め合いながら交流の輪を広げ、豊かなスポーツライフを築いていく
こと。」です。
この「アミザーデサッカー大会」は障害の有無、男女、老若男女、何も関係ありません。
サッカーを楽しみたい人なら誰でも参加できます。サッカーをしなくても応援したい、手伝いたい人、
そんなボランティアで参加される方々もたくさんいます。そこに、大塚監督率いる富山一高も参加
してます。大塚監督が優勝インタビューで、開口一番、「障害者サッカー」という言葉が出てきた時は、
感動して涙があふれてきました。
その後のインタビューで以下のような大塚監督のコメントが出されました。
――いろいろな人が各選手を育てることに関わるというのは、具体的にどのような形があるのか?
私は教師ではなくて監督なので、まず学校の先生方との関わりがあります。それに、先ほど言った
障害者サッカーの方たちとの関わりがあります。年に1回、夏に色んな地域の障害者サッカーの
人たちが富山に集まって、健常者と入り混じってサッカーを楽しむというイベントがあります。
14年続いています。私たちはそのイベントに参加していまして、当初は球拾いとか、ボール出し
のような手伝いでしたが、昨年からは一緒に試合に入って、松葉杖でGKをやっている人のところに
本気でシュートを打ったりとかいうこともありました。本気で健常者の高校生のトップレベルの子が
障害者と一緒にサッカーができるということで、障害者の方も喜んでくれますし、僕ら健常者が
サッカーをできる喜びを教わることもあります。
そうした取り組みをやっていることで、今回は横浜の障害者のサッカーの人たちからは応援や激励を
いただきました。新潟からは毎日メールをいただきましたし、富山の障害者団体からはミサンガを選手
全員に送っていただきました。そういう人と人との交流で、人間性が育成されていくのかなという風に
思います。それが一部の例ですが、そういうことで人間性を育んでいきたいと思ってやっています。
このコメントを読んでさらに感激しました。
まさしく、おっしゃる通り。監督も選手も、本当に素晴らしいと思います。
私は以前、こんな話を聞いたことがあります。うちのチーム代表が、顔に酷いやけどを負った友達と
一緒に新潟の街を歩いていた時のこと。交差点で信号待ちをしていた時に、バスが横づけになり、
そこにはある高校サッカーチームが乗っていたそうです。そして、代表の友達を見るなり、窓を開けて、
酷い言葉を投げかけてきたそうです。代表は頭にきて悔しくてバスを追いかけましたが、追い付け
ませんでした。単に人を見かけで判断して、悪びれることなく、残酷な言葉を浴びせる。そして、
そこには高校生だけでなく、指導者も同乗していたはず。サッカー(スポーツ)はただ上手いだけで
いいんでしょうか?違うはずです。サッカーをする以前に、みんな1人の人間。内面(心)、人間性が
しっかりしなくては、しっかりした技術が身に着かない。今回の高校サッカーで優勝した富山一高は、
それを自分たちの優勝で示してくれました。こういった考え、指導が全国に広まっていってほしいと
切に願います。

各障がい者サッカーチーム、富山第一、高岡女子、カターレ富山(J2)などの混合チームで対戦

アミザーデ・チアリーダーズ

アミザーデ・ファミリー
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