昨日、信濃川の河川公園内にあるビオトープで観察会がありました。この河川公園には水生植物、
魚類、水生昆虫などが生息できるように2つの池(ビオトープ)が創出され、適切な管理により
比較的良好に維持されています。そこの池および周辺で自然観察会が開催され、私は一応、講師
として参加させていただきました。

ちょっとヒシが多すぎですが、これから除草するそうです。除草しないと、池一面、ヒシに
覆われて、池の中が無酸素状態になり、魚類や水生昆虫が死んでしまいます。
観察会の内容は、池周辺にいる昆虫(トンボ中心)採集・観察、池の中にいる魚類の採集・
観察です。まず初めにトンボの採集を行いました。トンボと言っても、様々な種類がいます。
ここに生息しているのは、イトトンボ科の仲間(オオイトトンボ、クロイトトンボ、キイトトンボ、
セスジイトトンボ、アジアイトトンボ)、ヤンマ科の仲間(ギンヤンマ、クロスジギンヤンマ)、
トンボ科の仲間(ショウジョウトンボ、シカラトンボ、コフキトンボ、チョウトンボ)、
カワトンボ科の仲間(ハグロトンボ)など。イトトンボは小さくて動きがゆっくりなので、参加
してくれた子供達も捕まえることができました。一方、シオカラトンボ、ショウジョウトンボ
などは動きが早くて子供も大人も捕まえることができませんでした。捕まえたトンボは実際に
手に取ってもらい、特徴を見ながらじっくり観察しました。次は待ちに待った魚捕り。池には
前日から小型定置網を2個仕掛けてあり、また観察会の前に、参加者でカゴ網を仕掛けておいた
ので、早速その仕掛けをあげてみました。カゴ網には、モツゴ、タモロコ、タイリクバラタナゴ、
ヌマチチブ、オイカワ、メダカ、ギンブナ(幼魚)、ニゴイ(幼魚)など小型の魚がたくさん
捕れました。そして定置網をあげた瞬間、なにか大きな魚がうごめいています。よう~く見ると、
なんと
「ウナギ」でした!!

ウナギ!!食べたかった~
それには子供も大人も大興奮。私も興奮してました。普段、魚類調査をやっていても数年に
1回くらいしか捕れません。そういう意味では数もかなり少ない魚です。
捕れた魚は大きなプールに入れて、金魚すくい状態で観察しました。観察といっても、子供達が
気に入った魚を捕まえて、「これなに?」って聞かれたことに対して説明するくらいでした。
ウナギは子供達みんなに触ってもらい(ウナギには迷惑ですが)、ぬめりを感じてもらいました。
このぬめりがすごくて、子供も大人もしっかり掴んで持ち上げた人はいませんでした。大人は
みんな「このウナギ食べたいね~」と私も含めて言ってましたが、数も少ないので、名残惜し
くも、他の魚と一緒に池に帰しました。参加してくれた子供達はトンボや魚を見て目を輝かせて
いました。最近の自然観察・学習などがあっても、手に触れる機会がないように思います。
今回のように、ウナギさんにはちょっとかわいそうなことをしましたが、実際に触ってみて、
感じることが環境学習、将来の自然保護などにつながっていくような気がします。

観察会の様子

金魚すくい状態

ニゴイ(コイ科) コイに似ているからニゴイです。

タイリクバラタナゴ(コイ科) 中国原産の外来種、オスは繁殖期になると体の一部が
バラ色に染まります。

オイカワ(コイ科) もともと西日本に魚類、新潟にはアユの放流とともに川に放たれた
国内移入種です。

ギンブナ(コイ科) もっともポピュラーなフナ。この他に新潟にはゲンゴロウブナ、
キンブナなどが生息してます。ヘラブナとはゲンゴロウブナのことです。

モツゴ(コイ科) 口が上向きで小さいことから、クチボソとも言われてます。

ヌマチチブ(ハゼ科) ハゼの仲間は腹ビレが吸盤状に発達しているのが特徴です。

スジエビ(テナガエビ科) 比較的大きくなる淡水のエビ、食用にもなります。