昨日、新潟市音楽文化会館で「認められたから今がある」講演会が行われました。
いつもですが、準備期間が短く、広報も十分行えたとは言いがたいのですが、それでも
蓋を開けてみれば、用意した椅子40席はほぼ埋まり、スタッフ合わせて約50人になって
いました。
会場の様子トップバッターは
古市佳央さん。
自身の事故により、重度熱傷40%を負い、事故前とは全く違う外見になってしまう。
以前は、ジャニーズ系のイケメン・モテモテ、願えば何でも自分のものになる、そんな
自己中心的な人生を送っていた。ところが、その事故後は、あまりにも変わり果てた姿に
失望し、生きる力をなくす。そんな時、同じように重度熱傷50%という、さらに酷い患者
さんと出逢い、互いに励ましあい、生きる力を取り戻す。さらに、女性から告白され、
お付き合いすることに。古市さんは、昔の自分の方がかっこいい(容姿)と思い込み、
昔の自分の写真を見せるが、彼女はまったく興味なく、彼女が好きになったのは、変わり
果てた事故後の古市さんの人間そのもの。彼女は古市さんの内面・心を好きになったという。
人は外見の美しさだけではなく、心の美しさが大事。さらに、それを感じられるような感性が
必要。みんながその感性を少しでも持てるようになれば、いろんな差別や偏見はなくなるだろう。
また、人はみな悩みを持って生きている。一人一人が人はみんな違ってあたりまえ、その違いを
個性として認め合えば、争いも差別もなくなり、明るい幸せな世界になる。
古市さんの講演・オペラは何回聞いても、心に響いてきます。ほんと、生きているってすばらしい
と実感できます。全ては奇跡なんですね。
古市佳央さん 言葉に重みがあります続いて、
山崎健太郎くん。
彼は生まれつき手や内臓に障がいを持ち、小さい頃から体が弱く、成長も周囲の子供より
遅れていたため、小学校では入学を拒否され、1年遅れて入学。下の学年と一緒に勉強する
ことになる。たくさんの屈辱を味わいながら、思春期を過ごす。高校卒業後、Palrabox代表
のケイと出逢い、Palraboxに入団。ちょっと内気な性格から、入団当初はあまりチームメート
と話すことができなかったが、日々の練習や遠征などを重ね、徐々にコミュニケーションがとれ
るようになる。特に2~3年前から、それまで一切自分の障がいについて話したことがなかったが、
富山の遠征で自分から話し、チームメートもそれをしっかりと受け止め、互いを認め合う関係が
深くなる。今では障がい者チームのキャプテンとして大活躍。今後もサッカーのみならず、
多方面での活躍が期待されます。
山崎健太郎くん 講演は短いながらも言葉の裏にあるものがたくさん伝わってきました最後は、
前川貴士くん。
彼も生まれつき、顔や耳に障がいを持ち、小さい頃からいじめにあう。母親は彼を生んで、
しばらくして他界。外見のことで、酷いイジメにあうが、祖母の存在が彼の支えとなっていた。
その祖母も、日々の疲れからかは分からないが、この講演会の開催日と同じ日(12月20日)
に自殺で他界。育ての親であり、一番の理解者を失うも、彼は自分自身を失わず、しっかりと
自分の足で人生を歩み始める。親の転勤によって、新潟に移住。Palraboxと出逢い、サッカー
を始める。サッカーの経験はなかったものの、持ち前のやる気で、めきめきとサッカーが上達。
障がい者チームでは一番の頑り張屋。2年ほど前に、ずっと気になっていた顔の整形を行う。
この整形によって、いい意味で生まれ変われ、以前よりも前向きになる。今回、古市さんとの
出逢いから、講演会を行うことになり、彼はただ話すだけではなく、何かにチャレンジしたいと
考え、ピアノの演奏を披露することに。彼はピアノの経験はなく、1ヶ月しかないにも関わらず、
自費で音楽教室に通い、時間があればピアノの練習。どうなるかと思いましたが、見事にやって
のけ、会場を感動の渦に巻き込んでしまう。ほんと、ピアノの演奏もすばらしかったけど、その
過程がすばらしい。彼の何に対しても真っ直ぐに真剣に向き合う姿勢に拍手を贈りたい。
前川貴士くん みんなが君のピアノの演奏を絶賛してましたよ。これからも頑張って!最後の最後に我々から、
Palrabox代表のケイへサプライズ。
次の日(12月21日)が誕生日なので、本人には内緒でプレゼントを用意。
プレゼントは彼が今一番気に入っている「スボルメ」というメーカーの上下スウェット。
それには、彼も驚き、感動してくれたようで、号泣?。
Palrabox代表ケイへのサプライズ また泣かせちゃった 誕生日おめでとう!!また、要約筆記の方々にも大変お世話になりました。難聴の方もいらしたようですので、
その方にも、公演内容がしっかりと伝わったと思います。いい経験をさせていただきました。

要約筆記されたのがスクリーンに映し出されます

よくここまでまとめてくれました。ありがとう!井関#22!
講演会の後、講演していただいた3人を囲んで懇親会。13人の参加で懇親会も大盛り上がり。
私は2時頃帰りましたが、前川君、健太郎君、井関さんは5時までフィーバーしてたとか…。
みなさんのお陰で、この講演会を無事に終えることができました。関わっていただいた方、全ての
方に「感謝」の気持ちでいっぱいです。この講演会の講演者、内容も良かったのですが、それにも
増して会場の人達の暖かさが、拍手や眼差しから感じることができました。そんなすばらしい
環境で講演がきて、メンバー2人は幸せだったのではないでしょうか。ありがとうございました。
追伸:スタッフ、関係者のみなさん、本当にお疲れ様でした。